発病の原因
根本原因はまだ詳しく分かっていませんが、遺伝性の病気です。
遺伝と聞いてまず連想するのは“親子で同じ病気である”ということではないでしょうか?
しかし、そうとは限りません。
なぜなら先天性ミオパチーは常染色体劣性遺伝の場合が多いからです。
常染色体劣性遺伝
常染色体劣性遺伝をかいつまんで解説します。
病気の原因である遺伝子を、因子といいます。
そして、その因子を持つ人を、保因者といいます。
因子 | 保因者 |
---|---|
保因者には、二通りあります。
因子を、1つ持っている人と、2つ持っている人です。
因子を1つ持つ人 | 因子を2つ持つ人 |
---|---|
常染色体劣性遺伝は、因子が2つ揃うと発症します。
1つだけでは発症しません。
因子を1つ持つ人 | 因子を2つ持つ人 |
---|---|
保因者 | 保因者であり患者 |
親から子へ、因子は約50%以上の確率で遺伝します。
しかし、1人の親からは1つの因子しか遺伝しません。
1つなら保因者にはなりますが発症しません。
<例1>
親 | 子 | |
---|---|---|
→ |
||
保因者 | 保因者 |
<例2>
親 | 子 | |
---|---|---|
→ |
||
保因者であり患者 | 保因者 |
しかし、両親が共に因子を持っていて両方から子に遺伝した場合、子には2つの因子が揃って発症に至ります。
<例1>
親 | 子 | 親 | ||
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→ |
← |
|||
保因者 | 保因者であり患者 | 保因者であり患者 |
<例2>
親 | 子 | 親 | ||
---|---|---|---|---|
→ |
← |
|||
保因者 | 保因者であり患者 | 保因者 |
1つの因子を持つ人は、自分が発症しないために保因者である自覚がありません。
家系に患者がいなくても、因子だけがずっと受け継がれている場合があります。
そして、<例2>のように、両親が患者でなくても、子が発症するパターンがあります。
遺伝形式は必ずしも一定ではありません。
残念ながら、現在のところ、決定的に遺伝を防ぐ方法はありません。
しかし、必ずしも遺伝するわけでもありません。
※ここではミオパチーの遺伝パターンを説明するため大まかに解説しました。正確で詳細な確率・パターン等は"常染色体劣性遺伝"で検索してみて下さい。